イタリアの天国と地獄

今日ちょっと嬉しい事があった。朝からペンキ塗りの仕事をしているとどうしても足りない材料があり今日必要だという。昨日買いにいったのだけれど、そのお店に在庫がなく金曜日に在庫が入るという。オリヴィエロから「隣町のマッサにある某店なら必ずある。」と言われる。でも私はそこにいきたくなかった。なぜならば以前そこで嫌な想いをしたからだ。
その嫌な想いはお金を多くとられたのです。「それはお店の人が間違っただけでは?」と教育を受けた日本人は皆思いますがそうではないのです。日本では「いつもニコニコ現金払い」とか「だます方よりだまされる方がいい」という言葉があります。でもその精神はこちらでは通じません。「だまされる方が悪い」という精神がこちらです。私は35歳から本格的にイタリアに住み始めた。はっきり言って外国に住むにはかなり高年齢である。イタリア語の習得にも苦労したが(今も苦労してるが)もっと苦労したのはこの考え方の違い、文化の違いです。イタリアには天国な部分と地獄な部分があって観光の旅くらいなら天国の部分を味わって帰れるのですが暮らすとなるといろんなイタリアが顔を出す。特に私はここで大きな土地を買って家を建てている。イタリア人の中にはには「金持ちの日本人」と思っている人もいます。(本当はここに来て家を建てるには深い事情があるのですがここでは省略)家を建てるには大きなお金が動きます。そこで本当にノイローゼになるくらいいろんな事を勉強した。いわゆるイタリアの地獄の部分を見ました。何度ももうすべてを投げ出して日本に帰る!!って思った事もあるけどなんとかがんばってここまで来れたのは自分の最初の動機と信念、そして悪いイタリア人もいるけどいいイタリア人もいて、一人でも本当に心の通じる友達がいれば全てイタリア人はこう!とは言い切れない。自分にだって落ち度はあるのだから。お金のやり取りも全てジョーク心がイタリア人にはある。概してナポリ人はFurbo(フルボ)ずるいと言われている。例えば市場で買い物をしていろんな話をしてまくしたてられて知らない間に要らないものまで買ってしまっていた。なんて事は日常茶飯事でそのずるい部分をこちらも粋なジョークで返して得をしないといけないそうなのです。まじめに「あなた私をだましたの?」なんて言うのはタブー。(あーしんど!)カッラーラは実はアナーキーな街で(この話はまた別途で)「金持ちは悪いことをして金持ちになっている。だからその人たちからはお金をだましてもいい」とい考え方を持ってる人もいる。だからいつもみんな「お金がない、お金がない」と金持ちほど言うそうで。なんだかあまのじゃくな精神で私は全くそぐわない。お金持ちではないが代価と報酬という民主主義に乗っ取って育った分、適正価格を払うのは当然でいい仕事をしてくれたら出来たら少しは色を付けてあげたいと思うのが私の江戸っ子気質。(江戸っ子ではないですが)その精神を利用されて悲しい想いをした事もあるが高い授業料を払った分、イタリア人の本質、自分の本質も見えてきた。先日その某店にねじの部品を買いにいったとき「え?思ったよりも高い」って感じたけれど言われるまま払って帰ってきた。そしてその後すぐ同じ部品が足らない事を気づいてまた買いにいくといつもの販売員が「先いくらで売ったっけ?」と聞いてきたので「?」と返事に困っていたら先よりももう少し高い値段を言ってきた。上乗せされた金額は5ユーロくらいなのだが明らかに値を上げた事が分かったのでもうそこで買うのは嫌だった。だからわざわざ遠くまで買いにいったりもした。でも今日はどうしても必要でここじゃないと見つからないので勇気を出して買いにいく。店に入ると幸いこの前の私の担当のお兄ちゃんはいない。ちょっとほっとしながら待つ。先客が3組ほどいた。最後の客が終わりレジをしてるときに一人の店員が入ってきた。そう、前に嫌な想いをした私の担当者です。私に気づいて「チャオ」と言ってきたが私は引きつりながらチャオと返事した。順番が私だから彼が私に「何が必要?」と聞くので必要なねじの見本を見せて「このねじある?」ときくと「ある」というので「ひとついくら?」て聞いたら「いくつ欲しいの?」て聞くので「値段次第だ」て答えると「こちらはいくつ買うか次第なんだよ」といってすぐ「冗談冗談、だいたいいくつ欲しいの?」と笑顔で切り返すイタリア人のここがすごいとこ。まじめに物事を進めるよりも笑いやジョークを交えて相手の出方を見る。こちらもその辺を学ぶ必要がある。私は正直に「70本、でも値段次第だけれど」といった。先日、別のところで買ったとき一本50セントだったのでそれより高ければ今日必要な分の10本だけ買おうと初めに決めていた。するとそれよりももっと安い金額で全部で12ユーロ安い金額を言ってきた。私はその金額を聞いて「じゃあ70本全部買う」といってちゃんとねじを数えて箱に入れるのもチェックしてお金を払ってその店を後にした。帰るときそのお兄ちゃん、「家の調子はどう?いつも一緒に来てた友達(オリヴィエロ)によろしくね」と。帰りの車の中で初めて一人でおつかいが出来た子供のような気持ちになった。スーパーなどの値段がついた品を買うのではなく店でものを買うときには自分は隙を見せてはいけないのです。ガチガチ、恐恐になる事もないけど、大切な事は押さえておかないといけません。ニコニコ笑っていたら少しはおまけしてくれるかも?なんていう気持ちは逆に利用されてしまいます。(ニコニコしながらも押さえるところは押さえてないと)今日は私の気迫が相手に伝わったのかと思うとなんだか嬉しかった。
Commented by fd-terra at 2008-03-09 04:55
Buona sera.
先日はブログに遊びに来ていただき、ありがとうございました。
イタリアで家を建てていらっしゃるとは!
まずその勇気にひれ伏します。(笑)

この日記に書かれているようなこと、よく起こるのですよね。
特に自営業のお店で。
私も修理代など、なんどか高く払わされました。
そして友人のイタリア人も家を建てていますが、暖炉の図面を書いてもらい、資金も計算した時点で、煙突が含まれていないことに気付きました。
そこで「煙突欲しいのなら、もっと払え」となるのです。
残念ながら、お金が関わることには気が抜けませんね。
ここには日本とはまた違う、人間関係のかたちがあります。
もちろん素晴らしい面も多いですが。

またゆっくりと遊びに伺いますね。
リンクを頂いてもよいですか?
Commented by Haluko at 2008-03-09 21:19 x
ヤッタ~!!kazukoさ~ん!ピース!!
あらためて・・・すごい!と和子さんの勇気に乾杯!
そして、カッラーラで和子さんが言って下さった言葉を、もう一度心に
刻んでいます、私も頑張ります!
Commented by galleriaarsapua at 2008-03-09 23:57
*terraさん、コメントありがとうございます。そして猫のアドバイスも重ねてお礼です。(ペコリ)
そうなんです。イタリアで家を建てるなんて...無謀でしょ?(笑)
楽天家と言えばいい聞こえなのですが、要は何も考えてなかったんです。また別の機会で明かしますが深い理由もあるのです。

terraさんがおっしゃるようにイタリアには日本とは違う、人間関係のかたちがあるのですね。「郷に入れば郷に従え」という事でその現実を理解して消化しないといけないのですね。外国に住むというのは。何度も消化不良を起こしましたがやはり自分の譲れないものは自分の中で守っていこうと思いました。
素晴らしい、魅力的な国ですね。イタリアって(苦笑)
今後ともよろしくお願いいたします。

リンクして頂けるの大歓迎です。
こちらもさせてくださいね。
Commented by galleriaarsapua at 2008-03-10 00:12
*Halukoさん、こんにちは!いつも応援ありがとう。
by galleriaarsapua | 2008-03-07 01:41 | イタリアの生活 | Comments(4)

遥かルネッサンスの時代ミケランジェロも石を求めに通ったイタリア、カッラーラ。大理石の山並みを一望できるところに家を建てたKazuko


by galleriaarsapua