ミラノに出向いた目的は、親交の在る宝生流の舞台を観る為でしたが、実は同じくらい、楽しみにしていたのが、ミケランジェロの未完のピエタに出会う為でした。
ミケランジェロはもう、私にとって、他人ではなくて、(って私って何者?)ミケランジェロの作品はほぼ見ていますが、
スフォルツァ城にあるロンダリーニのピエタは、まだ観た事が無かったのです。
イタリアに来た頃から、このロンダリーニのピエタこそがミケランジェロ作品の中で、最も素晴らしいのだと、たくさんの彫刻家から、聞いていました。
そのロンダリーニのピエタとの初対面だったのです。
何とも優しくて、清らかな印象を受けました。
しかし、私にとっては今までのどのミケランジェロの作品にも、同じような優しくて、清らかな印象はあるのです。
この作品は、ミケランジェロの遺作で、亡くなる数日前まで、ノミを入れていたようです。
強いミケランジェロも、さすがに精魂尽き果てて、大理石に向かっていったのでしょうが、それがまたいいと、いう批評もあります。
具象具象というよりも、誰の腕か分からない腕があったり、原石の中から、大切な人が浮かび上がってきているような彫刻も、何だか、コンセプトがある、現代の抽象彫刻に通ずるものを、彷彿させられたりもしました。
石じゃなくても表現できたのかな?
なんて考えも浮かびましたが、石だから出来たんだと、時間が経っての考えにたどり着きました。
ミケランジェロが愛した大理石の山が在る、私の家に帰ってきました。
やはりここは、特別です。
ミラノ1泊二日の旅は、旅の道連れ、女流彫刻家、三村アキさんのおかげで、意義在る時間になりました。
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