建国記念日に思う

2月11日は日本では「建国記念日」ですね。
愛国主義者ではありませんでしたが、イタリアに来て、日本の良さ、素晴らしさ、を実感し、日本の古き良き物、そして日本人の(あ,うん)で感じる思いやりのある心や、立場をわきまえる、相手の立場にたって物事を考える、感謝と報恩、等々、そのような日本の心を、本当に愛おしく感じます。
日本人には武士道があったからか、古くから、日本人自身が哲学を持ち、自然を敬い自然に従って勤勉に生きてきた事で、日本の発展はあるのだと思います。
ただ、この発展を遂げた日本人の精神が、どこまで残っているのか?は、日本を離れて18年経っている私には、わかりませんがー
道がついている習い事に、文化に、本のなかにーそして生活の中に残っていてほしいと、切に願います。

イタリアに来て、家を建てたり、建築関係の仕事を移民の方に、頼む事もよくあります。
イタリアには、職を求めて東ヨーロッパ、ルーマニア人やアルバニア人がいて、安い賃金で、イタリア人の若者があまりしたくない、力仕事をしています。
私の葡萄畑も、モロッコ人、ルーマニア人の男の子に来てもらって、手伝ってもらっていた時もありました。
お金もそんなに渡せる訳ではなかったですが、どんなにお金がなくても、例えば電気代を払わなくても、その子達のお給料を払っている私の事を、彼らはわかってくれましたし、私もその子達の生活に対して真摯に向き合っているエネルギーが好きでした。

数年前に、出会ったモルドバ人のN氏がいました。
モルドバは旧ソ連で、ロシアが独立してウクライナとルーマニアに挟まれた小さな国です。
N氏は働き者で正直な人でした。
普通の職人が10日かけてする仕事を、2日で終わらします。
イタリア人の良い職人と出会えずに居た私は、N氏の出会いはありがたかったのです。
N氏は凄く働きます。
なぜなら、6人の子供が居るのです。
もう子供達は大きくなっていますが、下の二人は、小学生と中学生です。
上の子供は成人していて、一度、N氏が居ないときに、私の家で仕事があり、来てもらう事があったので、駅まで迎えに行き、車で我家に来る途中に、大理石の山をみて、「わー、イタリアには大理石の山まであるのか、、、だからイタリアは金持ちなんだな。。。」ってつぶやいていた事を、心に深く残っています。
日本の様にお金がある国で生まれた私達には、自分の国で住めない人が居るという現実、そして、自分の国が豊かで、職さえ選ばなければ仕事があるという、恵まれた現実をわかっている日本の若者が、どれだけ居るのだろう?と思いました。
自分の国で、仕事をもち、家を持ち、家族と一緒に暮らす。
普通の事なのですが、普通でない人たちも居ます。

日本という国に生まれた事の有り難さを、建国記念日にちなんで再度考えてみました。




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by galleriaarsapua | 2022-02-12 03:39 | ひとり言

遥かルネッサンスの時代ミケランジェロも石を求めに通ったイタリア、カッラーラ。大理石の山並みを一望できるところに家を建てたKazuko


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