システィーナ礼拝堂〜ミケランジェロの画
2021年 11月 28日
『最後の審判』には400名以上の人物が描かれている。中央では再臨したイエス・キリストが死者に裁きを下しており、向かって左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写されている。右下の水面に浮かんだ舟の上で、亡者に向かって櫂を振りかざしているのは冥府の渡し守カロンであり、この舟に乗せられた死者は、アケローン川を渡って地獄の各階層へと振り分けられていくという。ミケランジェロはこの地獄風景を描くのに、ダンテの『神曲』地獄篇のイメージを借りた。
群像に裸体が多く、儀典長からこの点を非難され、「着衣をさせよ」という勧告が出されたこともある。ミケランジェロはこれを怨んで、地獄に自分の芸術を理解しなかった儀典長を配したというエピソードもある。さらにこの件に対して儀典長がパウルス3世に抗議したところ、「煉獄はともかく、地獄では私は何の権限も無い」と冗談交じりに受け流されたという。また、キリストの右下には自身の生皮を持つパルトロマイが描かれているが、この生皮はミケランジェロの自画像とされる。また画面左下方に、ミケランジェロが青年時代に説教を聴いたとされるサヴォナローラらしき人物も描かれている。
〜Wikipediaより